レモン、八朔、ネーブル、不知火、オレンジ、はるみ、甘夏、「しまなみ海道」に柑橘類の旬が来た!
広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ「しまなみ海道」はただいま柑橘類の最盛期を迎えています。甘い柑橘、すっぱい柑橘、大きい柑橘、皮が厚い柑橘など、1年で一番美味しいこの時期だからこそ知りたいおすすめ柑橘を、実際に栽培している農家さんに5つ教えてもらいました。
柑橘を使ったSETOUCHI+の商品もあわせてご紹介します。
【柑橘農家カタオカファーム 片岡さん】
お話を伺ったのは「カタオカファーム」代表片岡さん。国産レモン栽培発祥の地と言われる尾道市瀬戸田町の「レモン谷」と呼ばれるエリアで代々続く柑橘農家さんです。瀬戸田町の中でも特に日当たりよく、海風の絶えない柑橘栽培に適した場所にあり、レモンを中心に数種類の柑橘を栽培する、規模の大きな農家さんのひとつです。
片岡さんとのお付き合いは「まるか食品」が「イカ天瀬戸内れもん味」を発売した10年前からになります。
まるか食品の新入社員は4月の入社早々に「カタオカファーム」さんでレモンの収穫体験を行います。午前中は樹に実るレモンを専用のハサミを使い収穫作業を行います。レモンの樹は収穫しやすいよう高さを低く抑えてあります。体をかがめての収穫は腰にきます。また畑の多くは傾斜地にありレモンの詰まった約20㎏のケースを手で運搬、しかも4月頃のレモンの実は大きく育っていてケースにたくさん入らないので運搬の往復回数が増え、なかなかの重労働です。
午後は収穫したレモンの選別作業をお手伝いします。サイズとキズなどの見た目でランク分けします。ランクで販売価格が大きく変わりますので慎重に、かつスピードも求められます。
レモン栽培の体験と知識を教えてもらうことで「イカ天瀬戸内れもん味」の製造、販売に誇りを持ってもらう大切なイベントです。
【 柑橘農家おすすめ、島のカンキツ5選+バイヤーおすすめ商品 】
「レモン」
片岡さん「先ずはレモンです。黄色く熟した実の糖度は10度を超え、酸味の後に甘みを感じることができます。1本の樹に約200~300個の実がなり、500~600本の樹を管理しています。およそ14万個のレモンを1シーズンに収穫します。糖度が高く皮まで食べられるレモンはレモンチューハイ専門居酒屋さんやタン塩が売りの焼き肉チェーンなどから指名で注文されるほどの人気です。」
SETOUCHI+で発売している「イカ天瀬戸内れもん味」は瀬戸田産のレモンを使用しています。開封するとあふれるレモンの香り、イカ天のうま味にレモンの酸味が加わり食べ始めたらとまらなくなる美味しさです。
レモンを使ったクラフトビールもおすすめです。
SETOUCHI+で扱っている「尾道ブルワリー」のクラフトビールセットは尾道のレモンを使った「尾道エール」、同じくみかんを使った「しまなみゴールデンエール」、尾道の八朔を使った「尾道IPA」の3種類。柑橘の爽やかな風味と麦芽のコンビネーションが見事にマッチ。尾道の味を存分に楽しめるクラフトビールに仕上がっています。
SETOUCHI+では柑橘や瀬戸内の特産品を使ったイカ天・のり天のおつまみ「ONOTEN」と「尾道ブルワリー」さんの柑橘を使ったクラフトビールのセットを販売。広島ならではの組合せで、季節の贈り物や親しい人へのプレゼントとして人気です。
SETOUCHI+で取扱い中の「海色空色工房」の小銭入れも、実はレモン関連商品。
レモンの枝葉を乾燥させて染色しています。ほんのり黄色に染まった、なんとも愛らしい一品です。
「ライム」
片岡さん「カタオカファームでは、まだ少量しか生産できていないのですが、ライムは国内生産量が1%しかありません。レモンに比べ強い香りとストレートな酸味が特徴のライムはレモンと棲み分け出来るし、皮まで使える国産は今後に期待の持てる注目の柑橘です。」
SETOUCHI+では高根島産のライムを使用したのり天も販売中です。レモンに比べ雑味がなくすっきりとした酸味が爽やか。のり天の香ばしさとうま味が合わさってこちらも手のとまらないクセになる味わいです。
尾道のクラフトビール醸造所「尾道ブルワリー」でも尾道ライムを使ったIPAビールを期間、数量限定で製造販売されています。尾道の名物にライムが加わるのも、もうすぐかもしれません。(2023年2月現在SETOUCHI+では瀬戸田ライムIPAは取り扱っておりません)
「早生みかん」
片岡さん「みかんのおすすめは実は小ぶりな方。甘みがぎゅっと詰まっているので美味しいですよ。多くの柑橘農家同様、カタオカファームでも寒さに弱いレモンと寒さに強いみかんのバランスを考えて栽培しています。」
SETOUCHI+でも「みかん」を使った商品を扱っています。
「カンキツスタンドオレンジ」の「瀬戸田みかんジュース」はストレート果汁100%で「まんまみかん!」な味わい。瀬戸田の明るい太陽と海からの照り返し、島の傾斜地ならではの日の光をたっぷり浴びた健康な甘いみかんジュースです。
添加物を使わずに手作りする「季節のジャムと日々のおやつ cosakuüコサクウ」の「瀬戸田レモンとみかんのマーマレード」は瀬戸田のレモンとみかんをブレンドしたマーマレードです。
ジャムやマーマレードのとろみを出すために必要なペクチン。実はレモンにはあまり多く含まれておらず、レモンだけだとシャバシャバな液体状になりやすいのです。通常はゲル化剤と呼ばれるペクチンを加えてとろみを出しますが、ペクチンを多く含むみかんをブレンドしてとろりとしたマーマレードに仕上げています。
「不知火しらぬい」
片岡さん「不知火は2月に収穫を終えて蔵で2カ月ほどの熟成期間に入っています。寝かせることで糖度が13度以上になり、逆に酸味はマイルドになるのでとろりと甘い濃厚な味わいになります。」
「カンキツスタンドオレンジ」の「瀬戸田不知火ジュース」はストレート果汁100%の甘い濃厚ジュース。ジュース用に農家さんが選別した瀬戸田産の不知火で作られています。島の豊かな環境と丁寧な農家の仕事から生まれた極上のオレンジジュースです。
「八朔はっさく」
片岡さん「カタオカファームでは作っていませんがしまなみ海道の柑橘の中では八朔をおすすめします。尾道市因島が発祥と言われる八朔は、プチッとした食感と甘酸っぱくてほのかな苦みが特徴です。」
SETOUCHI+で扱う八朔の商品は「尾道ブルワリー」さんの「尾道IPA」があります。麦芽を豊富に使ったビターな味わいのIPAに八朔の酸味が加わり飲みやすい味に仕上がっています。レモンの尾道エール、みかんのしまなみゴールデンエールと3種類のセットで柑橘比べをするのも面白いですね。
また、八朔の姉妹「紅八朔」を使った「大三島の紅八朔ピールチョコレート」もおすすめです。スティック状にカットした皮に、紅八朔果汁入りシロップを2週間浸透させて甘いピール菓子を作ります。ビターなチョコレートを纏わせることで、濃厚で食べ応えあるお菓子に仕上がっています。
今回紹介した柑橘は5種類。しかし、しまなみ海道にはまだまだバラエティ豊かな柑橘がたくさんあります。
SETOUCHI+の商品探しの中で今度はどんな美味しい柑橘に出逢えるのか、そして魅力的な加工者さんに出会えるのか。期待に胸が膨らみます。
TEXT / SETOUCHI+バイヤー 松枝 修平