愛媛県大三島を象徴する大山祇神社。 日本総鎮守と呼ばれ、全国に一万社あまりの分社を持つ神社であり、しまなみ海道の中でも人気の観光スポットです。
過去特集記事内でも神社について紹介しましたが、更に奥に入った地に立つ老楠の存在をご存じでしょうか。
その名は「生樹の御門」。
神社に参拝する人の多くは、生樹の御門の存在を知らずか、そのまま帰路につく方も多い様子。しかしそれだけではもったいない。
最強パワースポットととも呼ばれる、聖なる地へいざ。
大山祇神社の境内から、生樹の御門へは徒歩で約10分ほど。
神社内に案内はありませんが、行き方は一度覚えてしまえばとても簡単。
境内を右に出て、小さな川沿いの道を歩きます。
しばらく進むと、青い看板が目にとまります。
この看板は到着までにいくつか設置されているので、指示されるとおりに進んでいきます。
本当にたどり着くのだろうかという不安を覚えるような民家沿いの道ですが、どうぞご心配なく。
途中、柑橘畑が見えてくれば、もうすぐです。
柑橘が生るのは冬のみ。春夏は、柑橘の花が咲く様子を眺めながら、ゆっくりと歩くのも島ならではの楽しみ方です。
突如として目の前に現れる大きな楠。これが「生樹の御門」です。
推定樹齢3000年。根回りは約30m。愛媛県の天然記念物にも指定されています。
神社内が多くの人で賑わう様子に相反して、ここはぐっと静か。
神々しい自然と歴史から形成されたこの楠を前にすると、あまりの偉大さに言葉を失い、ただただ立ち尽くしてしまうほど。
まるでジブリの世界観がそのままリアルに存在しているかのようです。
幹の根本は、自然の流れとともに双幹となって空洞が誕生したとか。
開いた空洞には石の階段が。これを門に見立てくぐり、更に奥に建つ「奥の院」に参拝できます。
大人1人がやっと通れるような穴ですが、この穴をくぐると、長寿の御利益があるのだとか。
固い樹皮で覆われた空洞を通るのは、畏れ多いと感じるほど壮大な雰囲気が漂っています。
島の一画にどっしりと身を構え、枝を絡ませる大楠。そばに立つだけで、凄まじい生命力を感じます。
この楠は、人間の予想などなんなく超えて、圧倒的なパワーで驚かせ、そして包み込んでくれるようです。
楠の下で静かに目を瞑れば、この土地が永く守られてきたこと、そしてこの場所に来られたことに、自然と感謝の気持ちがむくむくと沸き起こります。
大三島を、そして大山祇神社を訪れるなら、ぜひ足を伸ばしてほしい「生樹の御門」。
とは言いつつも、本当はあまり教えたくないような場所。
神の島と呼ばれる大三島の本当のすごさを知り、心がずっと自由になれるネイチャーなしまなみ旅へ、こっそりとどうぞ。
TEXT&PHOTO/大須賀あい
大三島ししレザー「Jishac」
マルチショルダーサコッシュ
https://setouchi-plus.jp/products/multi-shoulder-scoche
大三島しまなみ灯り「菊輪」
大三島蜜蝋 soy candle
https://setouchi-plus.jp/products/soy-candle