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島のコーヒー焙煎所から 誰かのための幸せな一杯を

島のコーヒー焙煎所から 誰かのための幸せな一杯を

「コーヒー、淹れようか?」。これはきっと、思わず笑みがこぼれてしまう魔法の言葉です。好きな音楽を聞く時間に、人との語らいに、仕事や家事の一息に、コーヒーがもたらしてくれる幸せは計り知れません。そんな至福の一杯を求め向かったのは、尾道市の対岸、向島。スペシャルティコーヒーを専門とする「珈琲豆ましろ」を訪ねました。

 

 

向島から届ける、とっておきのスペシャルティコーヒー

 本州側からしまなみ海道をわたり、一番目の島である向島。尾道から渡船を使い約5分で行ける近さもあり、気軽に島旅が楽しめる地として知られています。1周約18kmの小さな島に佇む「珈琲豆ましろ」は、コーヒー豆を焙煎して販売する専門店。地元の人や観光客はもちろん全国にファンを持ち、コーヒーのある日常を広く届けています。

 

 

 

 

一歩足を踏み入れると、芳ばしいコーヒーの香りがフワッと鼻孔をくすぐり、なんとも良い気分に。ミニマムな空間には、焙煎されたコーヒー豆はもちろん、牛乳と割るだけでカフェオレが楽しめるカフェオレベースや、器具不要でお手軽なダンク式コーヒーなど、コーヒータイムの風景を彩る、さまざまなアイテムが並んでいます。

 

 

 

 

「ましろ珈琲」で取り扱われるのは、ハイエンドなコーヒー豆として知られるスペシャルティコーヒーです。仕入れた豆は、それぞれの個性が最大限に活きるよう、豆ごとに最適にロースト。常に新鮮な状態で提供するため、可能な限り小ロットで焙煎するなど、島の小さな自家焙煎所ならではのアプローチを追求しています。

 

 

 

コーヒーが教えてくれた笑顔の時間

焙煎から販売までを1人で手がけるのが、店主の須山祥平さんです。

 

 

 

 

広島市出身の須山さんが、尾道市向島へ移住しお店を立ち上げたのは2017年のこと。その道を選んだ理由を聞くと、こう返ってきました。

 

「自分と、自分の未来を変えたかったんです」

 

 

 

 

大学進学を機に広島市から沖縄へ飛んだ須山さん。小さな頃から描いていたサッカー選手になるという夢を諦めきれず、東京の大学へ再入学したそうです。しかしプロサッカー選手への道は険しく断念。卒業後は関東で国際物流の仕事に就き、海外駐在を希望したそうですが、なかなか思うように進まなかったといいます。

 

「すごく焦っていました。このままでは何も残らないなと。そんな状況の中、何もできない自分に何ができるんだろうと考えたとき、もともと趣味で淹れていたコーヒーが頭に浮かんだんです。私の家族は、お世辞にも仲のいい家族とはいえませんでした。でも、実家に帰って僕がコーヒーをふるまうと、ガヤガヤと言いながらも和やかな時間がそこに流れたんです」

 

 

 

 

そうして起業を決意した須山さんは、会社員として働きながら独学でスキルを磨いていきます。本を読み漁り、焙煎機をレンタルしてトライアンドエラーを繰り返し記録を付け、展示会へ足を運び、海外の農園に足を運ぶ。そんな日々を2年間費やした後、会社を退職。結婚前に訪れた尾道という土地に惹かれ「珈琲豆ましろ」をオープンしました。

 

弱さは、同時に強さを包含します。店名には、須山さんの真っ直ぐさを示すかのごとく「創業時のまっしろな心を忘れないように」との思いが宿っています。

 

 

気負わずラフに誰かにコーヒーを淹れるという喜びを

須山さんが焙煎するコーヒーは、味や香りなどの種類は違えど、ひとつだけ共通している点があります。それは「透明感」です。「綺麗に最後まで飲み干せるコーヒーを目指している」との言葉どおり、複雑な雑味や苦味がありません。それでいて本格的にコーヒーに親しむ人から、ライトに楽しむ人まで、皆が「おいしい」と思える味わいです。

 

 

 

 

厳選して仕入れた高品質の生豆は徹底した温度管理が成され、焙煎前、そして焙煎後にも手作業で欠点豆を除去。それぞれの豆の個性を生かしたレシピで、丁寧に焙煎されます。

 

その作業には、須山さんのホスピタリティと真摯さが一粒一粒に込められているよう。豊かな香りが広がる、雑味のないクリアな味わいのコーヒーができあがります。

 

 

 

 

 

「あなたがあなたの大切な人に淹れたコーヒーが世界で一番おいしい」

 

この一文は「珈琲豆ましろ」が掲げる大きなテーマです。コーヒーは私たちの生活に馴染み深いものでありながら、どこか難しい気質を感じる飲み物でもあります。しかし、そんな気負いは、須山さんが焙煎するコーヒーに必要ありません。形式ばらず、肩肘張らず、ただ穏やかな気持ちでコーヒーを愉しむことを教えてくれるのです。

 

 

猫モチーフのデザインがキュート!ゆるり楽しむコーヒー時間

 「SETOUCHI+」に登場するのは、「珈琲豆ましろ」の人気商品のひとつ「ゆるねこむかいしまコーヒー」です。

 

 

 

 

もっと気軽にコーヒーを楽しんでもらいたいとの思いでコロナ禍に誕生したこちらは、パッケージや味まで、向島にちなんだもの。クラウドファンディングで支援を募り、たくさんの応援を受け完成したプロダクトです。

一箱に、味とデザイン、名前の異なる3種類のブレンド入り。尾道を象徴する猫が、ゆるっとしまなみ海道を満喫する、ほんわかとしたイラストが気持ちをほぐしてくれます。広島、そして尾道のお土産としてもぴったりの一品です。

 

すっきりした後味が特徴のShiokaze(しおかぜ)ブレンドは、苦味を抑えめにした中煎り。花のような甘い香りの余韻を楽しめます。

 

Shimanami(しまなみ)ブレンドは、コクが十分に引き出された中深煎り。ピーチを思わせる芳醇な香りと濃厚な甘みを楽しむことができます。

 

重厚感を楽しむならNaminori(なみのり)ブレンド。しっかりとした苦みを感じる深煎りです。チョコレートのような風味とまろやかな口当たりを感じられます。

 

 

 

 

 

その仕様は「珈琲豆ましろ」が創業時から提案するダンク式コーヒーバッグです。その名の通り、ティーバッグのように、お湯を注ぐだけでおいしい一杯が飲める優れもの。誰が淹れても美味しく飲め、後処理にも困りません。お湯とカップだけで完成するため、アウトドアにもぴったり。コーヒー豆のポテンシャルを最大限に引き出し、便利さとともにおいしさも追及しています。

 

 

 

 

 「SETOUCHI+」では、より瀬戸内の雰囲気を感じてもらいたいと「しまなみピール 菊輪」のピールチョコレートと「ゆるねこむかいしまコーヒー」をセットにしました。ECサイトオープンから人気を誇るピールチョコレートは、コーヒーブレイクにもぴったりです。ホッとする魅力の柑橘ピールチョコ。芯からリラックスした状態でいただくホットコーヒー。その2つをテーブルに並べる目にも楽しい大人のコーヒータイムは、おもてなしにも。

 

キッチンで、リビングで、アウトドアで。お湯を注ぐたび、笑い声が湯気とともに、柔らかく空気が溶けていく。

 

「コーヒーは、人と人を繋ぐひとつのツールだと思っています。誰かを幸せにするために一番簡単に誰もができることが、コーヒーを淹れることだと思うんです」と須山さん。

 

コーヒーは、特別でないから欠かせないもの。幸せの一杯、瀬戸内の島からお届けします。

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TEXT/大須賀あい PHOTO/大須賀あい、タイラデザイン

 

 

 

珈琲豆ましろダンク式コーヒーと
しまなみピール菊輪レモンピールチョコレート

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しまなみピール菊輪
レモンと甘夏のピールチョコレート

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