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出合えるのは週に1度の1時間半
母の日に贈りたい「谷原菓子店」愛しスイーツ

出合えるのは週に1度の1時間半<br>母の日に贈りたい「谷原菓子店」愛しスイーツ

映画、猫、文学…、広島県尾道市を象徴するものは数ありますが、もうひとつ忘れてはいけないキーワードがあります。それは、お菓子。尾道には、地元産柑橘などを用い、古民家を改装した趣あるカフェや菓子店が多数点在。尾道の情緒とおいしいスイーツを求め、旅する人も少なくありません。

今回は、尾道の繁華街に佇む「谷原菓子店」をご紹介。扉が開くのは、毎週土曜日の1時間半のみ。滅多に出会えない、そして母の日に贈りたい焼菓子のギフトセットをお届けします。

 

路地裏で見つける週1オープンの焼菓子店

尾道の繁華街「新開エリア」。初めてなら迷うこと必須の路地裏に、週末土曜日だけ登場する焼菓子店「谷原菓子店」があります。

 

 

 

真白な暖簾が上がるのは、土曜の1時30分から3時の1時間半。この時間にしか出合えない希少なお菓子をお目当てに、開店前に行列ができることもしばしば。地元の人からも愛され、早々に売り切れてしまう日も少なくありません。

 

 

 

 

店内は、作りたてのケーキや焼菓子がショーケースを美しく彩り、食欲をそそる見た目と香りとともに並べられています。和を感じるスイーツ、ヨーロッパの雰囲気を醸すベイク…、その数、約10種類。「全種類ほしい…」という気持ちをおさえながら、あれこれと選ぶ時間も楽しい、あまい、あまーい空間です。

 

 

各国仕込みスイーツの甘い幸せに浸る

こちらを営むのが、店主の谷原舞さん。はじめましての訪問にも、満面の笑みで迎えてくれます。この笑顔は何よりホッとする瞬間。谷原さんのマイルドな人柄にも、心がほぐれます。

 

 

 

 

谷原さんが、自店を構えたのは、2021年のこと。たちまち人気店となった「谷原菓子店」ですが、いくつか疑問が浮かびます。なぜ、お店は商店街じゃなく?なぜ、お菓子屋さん?なぜ、瞬く間に人気店に?その謎をひとつひとつ紐解いていきましょう。

 

 

 

 

尾道市、そしてお店のある新開地区で育った谷原さんの実家は、地元で約50年続く老舗和食店。小さい頃から、食、そしてこの新開という地はとても身近なものだったといいます。

そんな谷原さんが大学卒業後に勤めたのが、東京銀座の名店「キハチ」が主催する料理教室。3年間料理助手として働いたのち、渡英。ロンドンの料理教室で2年間、料理助手を務めたとか。
一度日本に帰国したのち、本格的に製菓を学ぼうとフランスへ。パリの最高級ホテル「リッツ」にある世界でも有数の名門料理学校「リッツ・エスコフィエ」でパンとお菓子づくりを学んだそうです。

日本はもとより、世界の料理学校を渡り歩いた谷原さん。お菓子づくりへ没頭する理由を聞いてみると、シンプルな答えが返ってきました。

「たぶん、私、くいしんぼうなんです(笑)」

食べるもの、つくること、その全てが大好きで仕方がない。
谷原さんの思いがひとつひとつの焼菓子に宿り、おいしい驚きを尾道から表現しています。

 

 

 

 

谷原さんがつくるお菓子は、美しく統一感がありながらも、それぞれに個性が光ります。原点となるのは、日本、イギリス、フランスでそれぞれ学んだ文化や製法です。
例えば、マフィンはイギリス、パイはフランス、斬新な素材の組み合わせは「キハチ」で得た発想から。和洋、国柄、技法が融合され、ひとつひとつが甘美さをまとっています。
そして、安心かつ安全に食べてもらえるようにと、保存料などは一切使用していません。食べて優しい、心に優しいお菓子です。

「人にとって、おいしいものを食べることが一番幸せだと思うんです。子どもの頃から、料理人だった父の姿や、実家のお店を見て育ったからそう思うのかもしれません。でも、誰しもが幸せになる手段として食があると思うんです」

 

 

 

 

「谷原菓子店」のロゴマークは、お菓子を持った人の手。
 
「お菓子で、ホッと一息ついてもらえる時間を」
 
そんな谷原さんの思いは、かわいらしいお菓子の見た目、そして食べた瞬間においしいと感じる何とも言えない幸福感が、しっかりと証明しています。

 

 

人気スイーツを詰め込んだ焼菓子スペシャルボックス

尾道のスイーツシーンで話題の「谷原菓子店」。めったにお目にかかれないその味を、お届けするチャンス到来です。

5月に迫る母の日用にと、特別につくってもらったのが「谷原菓子店のMother's Day Gift Set」。同店のお菓子を、ギュッと詰め込んだボックスを、数量限定かつ受注生産で販売します。

受付は4月19日(金)の12時から30日(火)まで。母の日近くの5月10日前後に、ご指定住所へのお届けです。

 

 

 

 

モノトーンのシックな箱には、ブラックのリボンでキュートなアクセントをプラス。
このリボンをほどく瞬間も、甘いもの好きにはたまらないはず!

 

 

 

 

箱を開けると、思わず歓声を上げてしまいそうな焼菓子がぎっしりと。母の日用の普段は販売のないボックスセットですが、「自分用に…」とこっそり考えてしまう人が…。きっと、この文章を読んでいるあなたもその一人かも?

 

 

 

 

気になる中身を、じっくりとご紹介していきましょう。
お菓子の種類は全7種。計9個の食べ応えのあるラインナップです。

・マドレーヌショコラブラン
チョコレートを混ぜ込んで焼いたマドレーヌに、ドライラズベリーを加えたホワイトチョコでコーティング。ころんとしたハート型がキュートな女性に人気の濃厚マドレーヌです。

・オレンジとレモンのクグロフケーキ
ケーキ生地でつくったクグロフケーキ。クグロフは、フランスの北東部に位置するアルザス地方を代表するお菓子です。溝模様が入った王冠のような形が特徴で、ヨーロッパ各地では定番スイーツとして親しまれています。レモンのアイシング、そしてオレンジピールのトッピングが、尾道の雰囲気を醸す一品です。今回は、エディブルフラワーを添え、当店だけのスペシャル仕様に仕上げてもらいました。

・ベリーとホワイトチョコのケーキ
クリームチーズを練り込んだパウンドケーキ。ベーキングパウダーを使わず、卵とバターのみでふんわり感を出した、ホロッと崩れる優しい味が人気。ベリーの酸味とホワイトチョコの甘さが絶妙なバランスが特徴です。冷やして食べても!

・レモンバタークッキー
レモン型のクッキーに、ホワイトチョコとバターでつくったクリーム、そして自家製マーマレードを練り込んだ、かわいさ抜群の一品。こちらも今回だけ特別に、クッキー生地にレモンの香り漂うハーブ・ベルベーヌをプラス。ほんのりとしたレモン感を、よりいっそう楽しめます。

・塩バナナケーキ
「谷原菓子店」の定番人気商品。甘さ控えめで、小さなお子さんのファンも多いケーキです。バナナの風味が広がったあとにくる塩気がたまりません。甘じょっぱさがクセになる味わいです。

・ガトーショコラ
定番人気、かつ一番人気のガトーショコラ。まるでチョコレートをそのまま食べているような贅沢感を味わえます。かといって甘すぎないのが、同店のマル秘レシピ。苦すぎず甘すぎない、しっとり濃厚なガトーショコラです。

・抹茶のパウンドケーキ
幅広い世代から支持を得る抹茶仕立ての和なパウンドケーキ。アクセントとして、大納言小豆が生地に練り込まれています。さらに、抹茶のパウダーをかけ、よりリッチな風味に。緑色の生地と大納言の黒のコントラストも美しい、しっとり上品なお菓子です。

 

 

おいしいお菓子と甘い幸せをはんぶんこ

それぞれのお菓子が、少し大きめにつくられているのも「谷原菓子店」がもつ魅力です。焼菓子といっても、一口では食べられないサイズ感。

 

 

 

 

「1つ食べたら、もう1つ食べたいと思ってもらえるようなお菓子を目指しています。それに、ちょっと大きめだと、はんぶんこもできますよね。誰かとわけあえるって、素敵じゃないかなと思って」

はんぶんこ。

一人で食べるのももちろん幸せです。でも、その幸せを誰かとはんぶんこする幸せは、ジワリと心に染みるものです。それは優しさだったり、慈しみだったり、愛だったり。

「谷原菓子店」のお菓子には、谷原さんが経験したこれまでの人生を詰め込んだ華やかさと洗練さ、素朴さが兼ね揃えられています。一口食べれば、明日をちょっと頑張れる活力になる。つまり、そんな力を持つのが同店のお菓子。母の日に、尾道から届く愛しのスイーツ、いかがですか。

 

ご購入はこちらから



取材・文・撮影/大須賀あい

 

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