一日の終わりにキャンドルを焚き、甘いものを一口。想像すると思わず笑みがこぼれてしまいます。心地よい香りと甘みが心身を癒やし、自身をリラックスさせてくれるひと時は欠かせないものです。明日を健やかに過ごすために必要なのは、とっておきのキャンドルとピールチョコレート。大三島「しまなみ灯り 菊輪」から、上質な空間を提案する2つのアイテムをお届けします。
テーマは極上な癒し、大三島から発信する休息時間
瀬戸内海のちょうど真ん中に位置する愛媛県の大三島。この地で、大三島産の材料を用い、キャンドルとピールづくりを手がける女性がいます。民家を改装したプライベート空間でエステサロンを営む、佐藤泉さんです。
東京でインテリア関連の仕事に就いていた佐藤さんは「瀬戸内の島でのんびり暮らしたい」というパートナーの希望により、島への移住を決意。3年前、大三島へ越してきました。
「最初、島での暮らしは全く想像がつきませんでした。でもせっかく行くなら、自分の好きなことをやりたいと思ったんです。それが『癒し』の仕事でした」
移住前に、東京の美容系学校でエステティシャンの資格を取得した佐藤さん。エステサロンに、おもてなしのキャンドルは必須と考え、遠く沖縄に飛び天然素材を使ったキャンドル製作を学びます。そして「大三島で暮らすひと時を灯りで豊かに」をテーマに「しまなみ灯り 菊輪」をスタート。自宅兼工房で、さまざまなキャンドルをつくっています。
黄金色に輝くキャンドル、ゆらめく炎に癒されて
地元由来のキャンドルを作りたいと考えた佐藤さんは、ハチミツに注目します。大三島は、柑橘のみならず、花に集まる蜂の生み出すハチミツづくりも盛んな地です。養蜂農家へ直接出向き見つけたのは、養蜂道具の1つ「巣礎」。ミツバチが巣を作りやすくするために巣箱の枠にセットする、養蜂では必須アイテムです。そのほとんどが石油系の材料と共に作られた市販品ですが、佐藤さんが訪ねた養蜂家は、混合物を含有していない純粋な蜜蝋でシートを手作りされていました。
その100%ピュアな巣礎を使って生み出されたのが、「大三島蜜蝋soy candle」です。素材はソイワックスと精油、綿芯、蜜蝋のみ。天然精油は、オレンジスイート、ベルガモット、シナモン、クローヴ、ベンゾインの5種類をブレンド。時間の経過によって香りの変化過程も楽しめます。植物由来のソイワックスは、空気清浄の効果もあるとか。六角形のハニカム柄もたまらなくチャーミングです。
ハードソイとソフトソイを使い分け3重構造にされたソイワックスの周りは蜜蝋でグルッと囲まれています。仕上げに添えるのはかわいい蜜蝋ミツバチです。幾度も試行錯誤を重ね完成されたこの形こそ、佐藤さんのこだわりです。点灯すると、中央からジワリとロウが溶け出し、外側の蜜蝋も落ちていきますが、その落ち方はゆっくり。最後には、熱で溶け落ちた自然な形が残ります。
しかしここで終わりではなく、ティーキャンドルを入れればランタンのように楽しめるのも大きな魅力。同じ溶け方をするものはひとつとしてありません。時間をかけ火で育てる、私だけのキャンドルホルダー。何を隠そう、こちらは「SETOUCHI+」のみでのオンライン販売です。
爽やかな酸味と香り際立つ、オリジナルピールチョコレート
ピールチョコレートづくりも、柑橘の宝庫である大三島での生活が、佐藤さんならではのレシピを生んでいます。もともとご家族が大好きだったピールチョコレートを、さまざまな種類の柑橘を使い、独学でつくり始めた佐藤さん。南フランスの伝統菓子であるピールの奥深さに目覚め、大三島のフランス料理店「Filer」のシェフ、そして紹介してもらったパティシエにアドバイスを仰ぎ、本格的に製作をスタート。トライアンドエラーを繰り返し、誰もがとびきりの笑顔になる味が完成しました。
ピールづくりのレシピを聞くと、気が遠くなるような手間がかかっていました。決して手を抜かずに日々素材と向き合い、出来上がるまで約1ヵ月を要します。
さらに、耕作放棄地を利用し、完全無農薬のレモン栽培を昨年7月、自身でスタート。「SETOUCHI+」に登場する、限定10箱のしまなみピールチョコレート完熟檸檬は、佐藤さんの畑で採れた酸味がマイルドな完熟レモンを使用しているスペシャルな一品です。もちろん通常販売される、しまなみピールチョコレート檸檬は、信頼する農家さんから仕入れたノーワックスのレモンを使用。
仕上げにかけられるのは、世界中のトップパティシエたちに愛される、ヴァローナ社のホワイトチョコレート。まさに、ワンランク上のショコラスイーツです。
日々の暮らしが生む上質、気持ちをリセットするアイテムを
キャンドルもピールチョコレートも、佐藤さんが丁寧に暮らす毎日がプロセスとなっています。きちんと積み上げられてきたものだからこそ、上質で心地よいものが生まれるのです。
「瀬戸内をイメージすると、きっと誰もが『癒し』をイメージすると思うんです。キャンドルは、オンとオフの切り替えにも役立ちます。家にいる時間が長くなった今だからこそ、ぜひ日常使いしていただきたいですね。ピールチョコレートも、大三島ならではの味です。お家にいながら、瀬戸内の情景を思い浮かべてもらえたら」
ハードモードな日も、ノープランな休日も、一人で過ごす時間は大切です。その空白に、小さな灯り、小さなピールが、穏やかな時間を運んできてくれるはず。感性と論理が混じり合い生み出されるアイテムに、たちまち心がほぐされそうです。
購入はこちら↓
https://setouchi-plus.jp/collections/shimanami
TEXT&PHOTO/大須賀あい