愛媛県最北端の大三島。しまなみ海道のちょうど中心にあたるこの島に、四国随一のパワースポットと名高い神社があります。古代から神の島とも呼ばれるのは、日本総鎮守の大山祇神社(おおやまづみじんじゃ)が鎮座することに由縁。心持ち穏やかに手を合わし、神聖な空気を実感する旅へ。
しまなみ海道、大三島ICから車で約15分。
島シシレザー「Jishac」の工房を訪れた後、ふと足が向き大山祇神社へ。
この場所に何度も足を運びたくなる理由は、言葉で表せない何かがあります。
大山祇神社は、全国の山祇神社、三島神社の総本社でありながら、山の神様、海の神様、戦いの神様として広く知られています。
境内には、国の天然記念物に指定されている、想定樹齢約2600年の大楠の御神木が。
言い伝えでは、息を止めて木の周りを3周すると、願いが叶うとか。
壮大な拝殿。立派なつくりに身震いさえ覚えます。
本殿にくると、大三島という聖域ならではの、ひときわ凛とした空気に包まれます。筆舌に尽くしがたいとは、きっとこういう感情を指すのでしょう。
静かに参拝し、おみくじを。参拝客の願いが、祈りを込めてギュッと結ばれています。
隣接する宝物館も、ぜひ立ち寄っていただきたいスポットです。
全国の国宝や重要文化財の指定を受けた武具の8割が収蔵されています。武将や歴史にあまり興味がなくとも、その圧倒的収蔵品の数々に驚いてしまうことでしょう。
歴代の朝廷や多くの武将から、戦闘祈願の信仰を受け、その証として数々の武具が奉納されてきた大山祇神社。源義経や源頼朝が奉納した甲冑、歴史上人物の奉納品が展示されています。
帰り際に、御守りを1つ。戦いの神とあって、祈るように授かりました。あの村上海賊も、出陣前は、武運や海上交通の安全を祈り、この大山祇神社で神事を行っていたそうです。
きっとここぞというときに、守ってくれるはず。その他、御朱印はもちろん、サイクリストのためのヘルメット御守りが用意されています。しまなみ海道ならでは御守りです。
もう1つ忘れてはならないのが、本殿から少し離れた場所にある、生樹の御門。こちらはまた後日、ゆっくりとご紹介したいと思います。
幾世代もの永い時を超える場所は、特別な空気感をまとっています。目には見えない、浄化という旅。日々の疲れを取るだけでなく、帰るときには心も体も生まれ変わったような体験を大三島で。
TEXT&PHOTO/大須賀あい