旅の途中に立ち寄りたい柑橘がテーマのジューススタンド
しまなみ・尾道エリアのフラッグシップであるさまざまな柑橘。その魅力を最大限に発信しようと2022年7月にオープンしたのが柑橘専門店「カンキツスタンドオレンジ」です。
JR尾道駅南口の改札を出て、歩いてすぐの好立地。柑橘を使ったバラエティ豊かなドリンクを楽しめるのはもちろん、柑橘にまつわるお土産も展開。産地ならではの柑橘尽くしメニューが並んでいます。
こちらでぜひ味わいたいのが、柑橘ジュースの飲み比べです。よく見かけるメジャーな品種から、初めて聞くようなマイナー品種までが勢揃い。甘酸っぱいもの、酸味が際立つもの、濃厚な風味のものなど、それぞれの品種の個性を発見できます。
目に飛び込んでくる色は全て、鮮やかなオレンジ色です。柑橘を使用したジャムやスナック、そして瓶詰のオレンジジュースがずらりと棚に並んでいます。柑橘の一大産地ならではの魅惑のラインナップに心が躍ります。
>>カンキツスタンドオレンジの詳しい記事はこちら
「SETOUCHI+」がセレクトしたのは、「カンキツスタンドオレンジ」にて提供されているオレンジジュースです。数ある品種から、人気の2種類をチョイス。生きた果実を一瓶にギュッと閉じ込めた、ダイレクトな味わいを楽しめます。
同じ柑橘といえども、その品種によって驚くほど味が異なります。ユーモラスでスタイリッシュなラベルも「カンキツスタンドオレンジ」ならでは。ひとつひとつ、その違いを紹介していきましょう。
まずは、「うんしゅうみかんジュース」。私たちの生活に馴染み深い、冬の代表的果実であるみかんを絞ったジュースです。みかん本来の甘味と酸味の、絶妙バランスを味わえます。まろやかな口当たりで、親しみやすい一品です。
「カンキツスタンドオレンジ」のジュースラベルは、全6つ。時間とともに瀬戸田を周るコンテンツが表現されています。こちらに描かれるのは、尾道市と瀬戸田町を結ぶ、黄色い船「シトラス号」。旅の出発、そして朝の出発を想起させる爽やかも魅力です。
もうひとつは、「不知火ジュース」。みかんよりひと回り大きく、ヘタがぷっくりとふくれた愛らしいフォルムの柑橘、不知火を絞っています。しっかりとした甘みとコク濃さが特徴的。濃厚かつジューシーな味わいを楽しめます。
ラベルに描かれるのは、瀬戸田で絶品飯と称されるタコごはん。海の幸が豊富でもある瀬戸田町は、タコの産地でもあります。柑橘はもちろん、しまなみの旅にでかける際は、タコグルメも忘れずに。
無限の可能性を秘める瀬戸田の柑橘
「カンキツスタンドオレンジ」の店頭で飲めるドリンク、そして瓶詰めのジュースは、ただおいしいだけではありません。大きく記されるのは、柑橘農家さんの名前です。そこには「生産者さんの顔が見えるオレンジジュースを届けたい」という思いが込められています。
同店を運営する小林亮大さんは、約3年前に東京から尾道市瀬戸田に移住。町おこしを軸とする企業にて瀬戸田町の地域活性化を進めるなか、たくさんの農家さんと繋がったと言います。そこで見えてきたのは、高齢化や不安定な販路などの課題です。
「島で作られる柑橘の種類と農家さんを、もっと知ってもらいたいと思いました。柑橘は、瀬戸田だけでも100種類以上あると言われています。柑橘そのものの食べ比べは難しいけれど、ジュースにすればわかりやすくなります。僕は、この地で作られる柑橘の無限の可能性を信じています」
店舗マネージャーを務める岡野さやかさんは、しまなみ海道を構成する島のひとつ、因島の出身です。「もっともっと、柑橘農家さんをPRしていきたい」とローカルな目線で、あらゆる柑橘の個性や味を熟知。同じ柑橘でも、農家によって味が異なる魅力も話してくれました。
「ここで販売しているジュースは、世界で一番おいしい」と小林さん。
生産者に近い人々の薦める言葉には、強い説得力があります。志ある農家さんたちがつくった質のいい柑橘を、溢れる柑橘愛とともに。あまりのおいしさに、飲むと知らなかった頃には戻れなくなる至福のジュース、太陽が燦燦と降り注ぐ柑橘の島からお届けします。
TEXT&PHOTO/大須賀あい