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しまなみ海道初のフランス料理店 人気店シェフに聞くピールの話

しまなみ海道初のフランス料理店 人気店シェフに聞くピールの話

広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶしまなみ海道の中心地、大三島。毎年冬になると、たくさんの柑橘で染まるこの地に、昨年、しまなみ海道初のフランス料理店「しまなみフレンチ Filer(フィレール)が誕生しました。こちらと関係深いのが、「SETOUCHI+」の人気商品「ピールチョコレート」を展開する「しまなみピール菊輪」です。今回は、ローカルな食材を積極的に使い風土に寄り添うフランス料理、そしてまだ私たちの知らないピールの魅力について、たっぷりとお届けします。


実力派シェフが腕をふるう島のフランス料理店

しまなみ海道を訪れたら、地場の食材を使った料理を存分に楽しみたいもの。そんな時に
ぜひ立ち寄りたいのが、2021年にオープンした大三島のフランス料理店「しまなみフレンチ Filer」です。

 

 

 

 

のどかな景色が広がる大三島の海沿いを脇道に入ると、ドシッと構える古民家が店の存在を知らせてくれます。島ならではの穏やかな雰囲気と経験に裏打ちされた確かなフレンチを求め、ここを目がけて来訪するゲストも多い人気店です。

 

 

 

 

 

90年の民家を改装した店内は、どっしりとした梁や昔ながらの窓枠など、随所から情緒を感じられます。テーブルの間隔も広くとられ、ゆったりと寛げる空間は、開放感もひとしお。

 

 

 

 

多くのゲストを惹きつける料理を展開するのが、2020年に大三島へ移住した伊藤夫妻です。シェフの伊藤博史(写真左)さんは、名門「辻調理師専門学校」のフランス料理講師として32年間教鞭をとったフレンチ一筋の実力派。同校のフランス校にも飛び、トータルで計5年半現地の食を見続けてきた本場を知る料理人です。妻の安奈(写真右)さんは、同じく「辻調理師専門学校」に勤務。現在は店内のサービスを担当しています。夫婦二人三脚、卓越したテクニックと温かいおもてなしで、ゲストにおいしいサプライズを提供しています。

 

 

島の恵みと季節を映す一皿をコースでいただくお昼どき

 お昼に提供されるのは、月替わりのコース(3300)のみ。大三島や今治産の野菜や魚、島で獲れるイノシシや柑橘など、地場の素材を生かした料理をリーズナブルな価格で堪能できます。伊藤シェフが目指すのは「王道でクラシックなフランス料理」。圧倒的なボリュームと驚きのヴァリューで展開される品々を、ひとつひとつご紹介しましょう。

(写真は7月取材時のメニュー)

 

 

 

 

まずは、お店の個性が光るアミューズから。イノシシのパテは、オープン当初から提供する一品です。ジビエが苦手な人にも、大三島の名産を食べてもらいたいとの思いで生まれたといいます。じっくり煮込んだイノシシ肉にバターや生クリームを加えてペースト状に。フランス産のパンとともに、ライトにいただけるジビエ料理はここならでは。

 

 

 

 

お次は、南プロヴァンスの郷土料理であるニース風サラダ。いんげん、オリーブ、トマトやパプリカ、中には茹でたじゃがいもが入ったボリューミーなサラダです。トップにアンチョビとツナがトッピングされているのは、マグロ漁が盛んな街で生まれた料理だからこそ。

 

 

 

 

メインは肉料理と魚料理から選べますが、今回は魚をチョイス。こちらは鯛のタルト トマトフォンデュ。シンプルに焼き上げた今治産の鯛、焼き付けたトマト、パイ生地が口の中で三位一体に。ピストゥーとタブナード、2種のソースが食べる楽しみを倍増させてくれます。

 

 

 

 

最後はデザートが登場です。夏を感じるココナッツのブランマンジェは、とろけるような感触とココナッツの香り高さを味わえます。鮮やかなイエローはパイナップルのシャーベット。南国を思わせるひんやりスイーツは、島のイメージにもぴったりです。加えて、コーヒーまたは紅茶がサーブされ、嬉しいデザートタイムをゆったりと満喫できます。

 

 

 

 

多彩な調理法を駆使して繰り出されるコースは、新鮮な食の喜びをもたらしてくれます。ドリンクメニューにはフランス産ワインはもちろん、大三島ワインもラインナップ。

 

「当店では特にドレスコードを設けていません。ちょっとおしゃれをしてフランス料理を食べにいくという、ささやかな楽しみを皆さんに味わってもらえたら」と伊藤シェフ。

 

グラスを片手に、おいしいを共有し大いに楽しむ空間には何事にも代えがたい大きな幸せがあります。美食だけではない、本当の豊かさに触れられる島のフランス料理店。何もないようで、何でもある島の贅沢さと伊藤夫妻の人柄、そして鮮やかな料理が、今日も人々を惹きつけています。

 

 

 

長年の経験からピールチョコレートづくりをサポート

SETOUCHI+」で完売と再販を繰り返すピールチョコレートを手掛ける「しまなみ灯り菊輪」佐藤さんと伊藤シェフには、大きな繋がりがあります。2人とも移住者という共通点はもちろん、佐藤さんのピールチョコレートづくりをサポートし、躍進させたのが伊藤シェフです。

>>ピールチョコレートの詳しい記事はこちら

 

 

 

 

最初は、インターネットに掲載されていた一般的なレシピでピールをつくっていたという佐藤(写真左)さん。どうしても味に納得がいかず、相談をもちかけたのが伊藤シェフでした。

より詳しいピール情報をと、伊藤シェフは元同僚のパティシエを佐藤さんに紹介。パティシエ、そして伊藤シェフからのアドバイスで、ピールはどんどん本格的に変化していったといいます。

 

「最初に食べたピールから、格段にレベルアップしていたんです。あまりに美味しくて驚きました。フランスでは、パティスリーや手づくりチョコレートを扱うショコラティエでピールが日常的に販売されています。日本と同じく高級品扱いです。レストランでは、デザートの後に、コーヒーと一緒にピールを楽しむ習慣もあります。佐藤さんがつくるピールは、本場に負けない味です」

 

 

 

 

また、佐藤さんのピールチョコレートに使うフランス・ヴァローナ社のチョコレートも、伊藤シェフからの提案だったといいます。

 

「料理人、パティシエから絶大な支持を得るトップブランドがヴァローナです。ピール自体がしっかりとおいしいのに、テンパリングするチョコレートが負けていたらもったいないと思いました」

 

 

 

 

 

フィレールでは、菊輪のピールチョコレートをコース内のデザートで使用する他、店頭でも販売しています。

 

「お客さまからも大変好評です。コースのデザートにピールを用いる季節もあります。大三島は柑橘の宝庫です。これから、大三島のお土産といえば柑橘ピールだと言ってもらえるよう、徐々に認知が広がるといいですよね」

 

 

 

 

Filer(フィレール)」とはフランス語で「紡ぐ」という意味。そこには、縁あって大三島に移住した夫妻の思いが込められています。

 

「糸と糸を紡ぐように、人や地域が繋がり、大三島の産物や魅力を繋いでいきたい」

 

そんな願いが、大三島発の柑橘スイーツにも寄り添い「ピールチョコレート」というスペシャルなプロダクトを後押し。佐藤さんの手によって、大三島産のあらゆる柑橘が極上のピールチョコレートへと変身しています。

 

 

 

 

夏も終わり、涼しい季節到来とともに、待望のピールチョコレートが再販開始です。島が育む命のパワーを感じる逸品の再登場を、どうぞお見逃しなく!

 

>ピールチョコレートの商品ページはこちら

 

■店舗情報

・店名/しまなみフレンチ filer(フィレール)

・住所/愛媛県今治市上浦町甘崎1572

・電話番号/0897-87-2344

・営業時間/11:3015:00LO14:00)※ディナーは要相談。

・定休日/月曜・火曜・第三日曜

 

 

TEXT&PHOTO/大須賀あい

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