長く愛用できるクオリティのバッグを探している、人と被りにくいインディペンデントなブランドがいい。そんな人にチェックしてもらいたいのが広島県尾道市に工房を構える「SILVER」のバッグです。持ちやすさや、収納力はもちろん、部屋に置いて何かを入れて置いておいてもサマになる。頑丈な帆布生地を使い、全てハンドメイドで作られる「SILVER」のプロダクトから、「SETOUCHI+」が厳選した5つのキャンバスバッグをご紹介します。
毎日使える道具がコンセプト、尾道発の白い帆布バッグ
扉を開けると、そこは白の世界。棚一面に並ぶプロダクトは、全てキャンバス地、そしてカラーは白(生成)。その色はもちろん、素材やシルエット、シンプルながらもディティールにこだわりが感じられるバックが目を惹きます。
2018年、デザイナー兼クラフトマンの友枝正典さんが立ち上げた「SILVER」のテーマは「LIFE IS A CANVAS」。ブランドのシグネチャーである帆布(英名:キャンバス)、そしてその白いキャンバスに描くのは、私、そしてあなたの生活という色。使い込むほどに味が出て、日々の暮らしがバッグに刻まれていく過程。風合いや色合いが変わる、経年劣化さえも愛おしい。
帆布というバッグにおける定番を独自のデザインに昇華し「日常の生活で使用する道具作り」をコンセプトに長く残るスタンダードなアイテムを創る「SILVER」。ブランドの哲学や、バッグに込められた意図を知れば知るほど、その作りや美しさに魅了されていきます。
棚の向こう側をのぞくと、大量の帆布とミシンに囲まれた友枝さんの作業スペースが広がっています。型紙を起こす段階から縫製まで、その全工程を担うのは、友枝さんたった1人です。大量生産の工場のような効率優先のものづくりとは一線を画し、ひとつひとつ繊細なデザインに合わせて手間と時間をかけ、丁寧に仕上げられる「SILVER」の世界に迫りましょう。
マストバイを厳選、指名買いしたいオールシーズン使えるキャンバスバッグ
「SETOUHI+」がピックアップするのは、通勤や通学、毎日のお出かけから旅行まで、あらゆるシーンにフィットする5種類のバッグです。便利すぎて手放せないファン多数の名品を揃えました。
丈夫で頑丈なつくり、見た目はシンプルでも細かなディティールが満載な5つのバッグを、ひとつひとつご紹介していきましょう。
<BIG”LOGO”TOTE(M)>
アルファベットを大胆にデザインした人気のロゴトートバッグ。フロントにあしらわれるのリアルスエードのロゴが目を惹きます。AからZまで、好みのアルファベットでオーダー可能。自分のイニシャルでも良し、雰囲気で選ぶも良し。分厚くハリのある4号帆布を使用しているため、しっかりと自立するのも嬉しいポイント。A4サイズの書類が横にすっぽりおさまる、通勤や通学にも便利なサイズ感です。
経年変化も楽しめる牛のヌメ革を用いたハンドルは「SILVER」でも珍しい商品。また、取り外し可能なショルダーベルトがセットとなった、うれしい2way仕様です。装いにサッと合わせるだけで、インパクトのあるカジュアルコーデが決まります。
<W-DAY (S) >
二枚重ねにした11号帆布の間に中綿を挟んで、オリジナルのキルティングステッチを施したトートバッグです。波柄とダイヤ柄がミックスされたデザインは、ヴィンテージのミニタリーバッグに用いられていた裏地から着想を得ています。ステッチは全て手作業。力強さを醸す20番手の糸を用い、丈夫で美しい仕上がりに。
ふっくらと厚みがありながら、驚くほど柔らかく軽いのも特徴です。「SILVER」のロゴタグがちょっとしたスパイスに。気兼ねなく洗えて、オンオフ問わず重宝しそうな使い勝手の良さも魅力です。
<PLATE (HIGH)>
帆布のバックでは珍しい巾着タイプのバッグ。海外では馴染みのあるランドリーバッグをデザインソースに、コロンと丸みをおびたプロポーションが印象的です。敢えて分厚い6号帆布を用いているのは、バッグの自立をサポートし、形を変えて楽しむため。
紐の縛り具合でフォルムをアレンジ。荷物の量やその日の気分で形を変えて使ってみるのも楽しいアイテムです。
PLATEという名前は、お皿をイメージ。アウトドアシーンで皿や容器を入れるなど、ツールバッグとしても活躍します。底が抜けず型崩れしないよう、底部は二重にしっかりとしたつくりに。
<PABLO>
四角い形状を保持させたいという思いから誕生したトートバッグ。シンプルな形ですが、本体に極厚の4号帆布、アジャスタを用いることで、3種類の形にアレンジできます。まずはサイドを中に織り込んでキュートな印象に。
定番のミニトートにも大変身。マチがしっかりあるので、お財布、ポーチ、携帯、キーケースがすっぽりおさまるデイリー使いに最適なサイズ感です。
キューブ型に整えれば、観葉植物や小物を入れて、お部屋のインテリアにも馴染みます。PABROの名は、あのパブロ・ピカソが由来。目に見えるものを複数の視点から分析する、芸術的ともいえるアイテムです。
<NEIGHBOR +NECK>
「SILVER」の人気ライン、NEIGHBORシリーズから大人気のサコッシュも登場。「お隣さん」という意味のNEIGHBORらしく、ちょっとそこまで出かけるのにぴったりなミニサイズのバッグです。必要最低限の収納量と中身の取り出しやすさを重視。手軽でシンプル、街づかいも旅のお供にも、さまざまな場面で活躍します。
2つ折りの財布とスマートフォンがぴったり入るサイズ感。型崩れを防ぐため、木の底版がセットされています。
ショルダー紐は、イエロー、グリーン、ベージュ、カーキ、ピンクの5色を用意。家族や友達と、色違いで購入する人も多いヒット中の名品です。アウトドア仕様のアルミ製アジャスタ付きで、紐の長さも自由自在。もちろん紐を取り外して、単体での使用もできます。
サコッシュには、今回だけ特別に、店頭のみで取り扱うカスタムペイントの受注オーダーも可。ブルー、イエロー、ホワイトの3色を組み合わせた瀬戸内トリコロールを施せます。自分だけのワンアンドオンリーなサコッシュを、日々の相棒にどうぞ。
タフで力強く、しなやかで、どのバッグも着こなしにエッセンスを添える「SILVER」のプロダクト。小さなブランドだからこそ生み出せる画期的なアプローチで、使い手の生活を豊かにする。それが「SILVER」のバッグだといえるでしょう。
白いキャンバスにデッサンの線を重ねるように、お気に入りの小物や、アウトドアギアと一緒に、その時々の暮らしの輪郭が映えるそんなバッグ。感性を刺激する、人生の余白を楽しむスタイルを、ぜひ「SILVER」で体感してみては。
TEXT&PHOTO/大須賀あい
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普段は「まるか食品」のデザイン室に勤務している松枝です。
今回SETOUCHI+8月特集で「SILVER」を取り上げさせてもらいました。もちろん、尾道で有名なバッグブランドをもっと皆さんに知って欲しい思いと、同じデザイナー目線でブランドを伝えることでもっと「SILVER」さんを好きになってもらえるのでは、と考えました。
ここで、松枝 (まるか食品) 、友枝 (SILVER) の「枝枝インタビュー」をお届け!
松枝「SILVERのバッグといえば⁉︎」
友枝「頑丈です!」
シンプル!ブランドキャラクターは簡単な方がいいですよね。
松枝「LIFE IS A CANVASとは⁉︎」
友枝「人生は白いキャンバスに絵を描くようなもの、豊かな色で完成させて欲しい。」
ブランドコンセプトはデザイナーが購入者に託す希望です。購入者はバトンを受け取って物語は続いていきます。
松枝「アイデアのインスパイア元は⁉︎」
友枝「映画と音楽かな。でも特に好みがある訳ではないです。最近のマッチョなハリウッド系映画も好きですよ。」
わかる!脳が弛緩している時こそアイデアが生まれるんです。
まとめ
オリジナル (唯一無二) だけど、道具としてしっかり機能する。
難しい綱渡りを豊かなアイデアで具現化する友枝さん。
SILVERのバッグのカッコよさはアクションヒーロー・ヒロインの頑強さでした。どうぞ続きは皆さんでお楽しみください。
「SETOUCHI+」バイヤー 松枝修平