ジャムが好きです。美しいガラスの瓶に、キラキラ光るジャムと化した果実や野菜。驚くような素材の組み合わせ。ひとさじすくって口にいれれば、ニヤッとゆるむ私の頬。本当はあまり教えたくない…。私だけの秘密にしておきたい…。そんな複雑な思いを抱えながら、こっそり特別に教えたいと思います。これまで、あらゆるジャムを試してきた「SETOUCHI+」エディターが実際に食べて、感動のあまり言葉を失った「コサクウ」のジャム。これを読んだ皆さんの心のうちに、ひっそり秘めて、ぜひ味わってみてください。
大須賀あい
大学院在学中より、広島県内某局のラジオパーソナリティーを務めたのち、フリーの編集者・ライターとして独立。以後、広島を拠点に雑誌やムック本、新聞、WEBなどで企画制作・取材・ライティングを手掛けるなど幅広いジャンルで活動中。「SETOUCHI+」では、読み物文章担当。海と本と音楽が好き。小学生男児2人の母。
『cosakuü(コサクウ)』を手がけるのは、上杉裕加さん。尾道市向島に立つ小さな工房から、季節の地元果物を中心に使った、体に優しい手作りジャムを届けています。
上杉さんが一番大切にしているのは、素材の味を最大限に活かすこと。農家さんが丹精込めてつくった果実に、「コサクウ流」のさまざまなエッセンスを加えながら手作業でジャムを作っています。もちろん素材にも一切妥協を許さないのが「コサクウ」のすごさ。農薬をできるだけ使っていない素材を選び、添加物や白砂糖も使わず、瀬戸内の恵みを丁寧にジャムへと仕上げています。
「コサクウ」のジャムに出会ってからというもの、おそらく季節毎に出るジャムを全網羅している私。なぜなら、どれも高級スイーツのように美味しいから。この一言でもう、わかっていただけますか。とにかく、おいしい以外のなにものでもありません。
現在、私の家の冷蔵庫の入っている「コサクウ」の愛しいジャムたち。こんなに買ってどうするのと言われそうですが、一瓶が空になるのは時間の問題。毎日「今日はどのジャムにしよっかな~♡」と考える時間も幸せなのです。
瀬戸内を代表するマーマレードの女神様
黄金色に光るこちらのマーマレードは、2023年新シーズンの「八朔.レモン.カルダモン」。主原料となる八朔、レモン共に、生口島、向島、大崎上島でとれる柑橘を使用しています。甘みと苦みの絶妙バランス、カルダモンのスパイシーな香り、ざくざく食感の果皮。見ても食べてもビューティフル。ちなみに私は、昨年から4本目をリピート。おそらくもう数日でなくなるので、あと1瓶は追加しておきたいところです。私が出会った、人生で一番感動したジャム。つまり、人生最高ジャム!
そしてもうひとつ、どうしてもお伝えしておきたいこと。「八朔.レモン.カルダモン」は、イギリスで開催されるマーマレードの世界大会「ダルメイン世界マーマレードアワード&フェスティバル」にて、2019年から2021年の3年連続で銅賞を受賞。2022年には銀賞を受賞しています。世界各国から集まるマーマレードは数千瓶。イギリスの伝統的なマーマレード文化に認められた、選ばれしマーマレードなのです。
世界一おいしいマーマレードを毎日の食卓に
それでは、私がおすすめするマーマレードの食べ方をお伝えしましょう。まずはやっぱりパン。王道の食べ方ですが、やっぱりこれが一番好き。
カリッと香ばしく焼いたパンにバターをたっぷり。そしてマーマレードを贅沢に隙間なく塗る…のももちろんいいのですが、個人的にはまっているのがクリームチーズをオンする食べ方。私は料理を食べるのは大好きですが、実は作るのはちょっと、いやだいぶ苦手です。クリームチーズを綺麗に塗るのがきっと正解なのかもしれませんが、ここは思い切って、カットされたクリチーを、ドンと食パンに乗せましょう。そして上からマーマレードをたっぷりと。好きなタイミングで、クリームチーズを崩しながら食べる。これが、実にデリシャスなのです。
マーマレードだけでなく、他のジャムも一緒にトッピング。「ほんとズボラですね…」という声がどこからか聞こえてきそうですが、1枚の食パンで2種類の味を楽しめて、かつストレスなくご飯の準備が完了。バタバタと忙しい朝、ちょっと憂鬱な朝、絶望的な気持ちの朝、毎日ハッピーとはいかないのがこの世の試練。そんな日に「今日もがんばろっ!」と思わせてくれる「コサクウ」のジャム。私はこれまで、幾度も助けられました。感謝。
スタンダードな食パンはもちろん、レーズンやくるみなどが練り込まれたパンにもよく合います。ここで登場させるのが、フランス産の有名バターブランド「エシレ(ECHIRE)」。クリーミーな口当たりと、ヨーグルトのような爽やかな酸味が鼻に抜けていきます。もちろん、「コサクウ」のマーマレードともぴったりマッチ!
そしてもちろん、プレーンヨーグルトにトッピングするのもベター。私は、タンパク質が多く含まれた無脂肪のヨーグルトを選んでいます。そのままでは少し食べづらいため、ジャムが良いスパイスに。
ジャムには、その季節の旬の果実類を長く楽しめる利点があります。保存が効くので、「これだ!」と思ったものは随時ストック。「コサクウ」のジャムは、一定の種類を年中提供していません。旬のものは旬のうちに瓶の中へ。売り切れたら、それで終わり。また来年を待たなくてはなりません。冬の柑橘は、瀬戸内の旬食材。ギュギュギュッと詰まった今だけの美味しい美味を味わえるのは、本当に今だけなのです。
あ。秘密にしておきたいと言っておきながら、ここまでペラペラ書いてしまったのはちょっと反省。もう一度言います、秘密ですよ。「SETOUCHI+」に、こんなにおいしいジャムがあるってのは、秘密ですから。
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TEXT&PHOTO/大須賀あい